2019-07-06~07 岩手山
ゴールデンウイークが明けてから、日本中天気が悪い。
この間平標山~仙ノ倉岳や、六甲山(なんと仕事で)、尾瀬へ行った。尾瀬は雨。6月は山自体1回しか行けなかったな…。
そんな中で7月、晴れている山を求めて岩手山へ行ったので以下記録する。
最初に総括すると、場所毎に特徴立っていてRPG気分を味わえる良い山だった。
1.行くまで
八戸出張の際、盛岡駅を越えた直後に現れる岩手山。キレイな三角でいい山だなと思っていた。
6月の山行不足が明らかにストレスになりつつあったため、意地でも山に行こうと晴れてる山を探す中で、見つかったのが岩手山と秋田駒ケ岳だった。
また山行の直前に、念願のテン泊対応リュックが届いた。
NORTH FACEのTERRA65 店舗で見かけて腰背中のフレーム、分厚さとガバッと開けるチャック、そして何よりカラーリング(背面の赤!)に魅かれた。
店舗で2万円後半だったが、ネットで調べるとなんと1万6千円。価格もバッチリだったため購入したのだった。
しかし購入先が海外サイト(スペイン)。届くまで約半月かかり、届いた時は箱がボロボロ。中身に影響なくて安心したが、二回目使うのは勇気がいるなあ。
今回はリュックの性能テストも兼ねて、テント泊セットを詰め込み岩手山一泊二日山行を行うことに決定。(避難小屋泊のため、テントは不要だったが…)
金曜深夜に出発し、5時間運転して岩手山へ向かったのだった。
2.7月6日往路 七滝口~お花畑~八合目避難小屋到着まで
5時間運転は、しんどい。鳥海山以来の深夜長距離運転だ。
途中のSAで仮眠のつもりが3時間寝ていて割と焦る。白む空に向かって車を飛ばす。
眼前に突如現れた岩手山。異形の山だ。南部片富士と呼ばれるとの事だが納得。富士山にゴジラの背びれが生えている様だ。
今回は数あるルートの中で「七滝ルート」を選択。理由は、最悪ガスってても「滝が見られる/沼が見られる」事を期待してだ。この時はまだ、ウキウキハイクの気持ちで居られたのだが・・・・・・
6時位に準備完了、出発した。
野鳥観測所なる建物。自由に使えるようだ。
スタートから2キロ地点にある七滝。中々の高さと水量に胸が躍る。
この時トレランの集団に鉢会い、颯爽と追い抜かれる。この時は道幅も広く起伏もそこそこだったので、楽しいんだろうな~と思っていたが、後の道のりを考えるとようやるわという気分になる。
曇りの中を歩く。この沢の辺りから道がぬかるみ始める。
最悪ポイント「湯華採取場」。この白いのが湯華。おそらく温泉成分が流れ出し表出するポイントなのだろう。
こいつが曲者。踏むと乳白色の液を噴き出すスポンジの様なもの。
足の踏み場も少ないため、誤って踏み込んで靴が真っ白になってしまった。
その後もドロドロの中を歩く。
流れの横を歩く。この水も温泉(火山?)成分たっぷりで濁っていた。
花が綺麗。道中沢山の花が咲いており、夏山に来たんだなと思い直す。
そして踏み込む、大地獄谷。
緑の道が一転して、荒涼とした岩と硫黄の世界に変わる。これは地獄。
傾斜も道幅も狭く危険っぽい箇所結構あった。おまけにガス。冬だったらナイフリッジになるだろうなという道もそこそこありビビる。
ようやく地獄を越えると、「お花畑コース」と「鬼ヶ城コース」の分岐に着く。これ以上はしんどいと予想し、お花畑コースを進むことにする。トレランの人たち、よくこんなとこ通ったなあ。
道すがら花をめでる。
誰が書いたかユルい看板。
お花畑コース、とは名ばかりで道は結構キツイ。狭いし草木が道を塞ぐしで歩きにくかった。
シラネアオイがまばらに咲く。ああ夏だなあ。
突然視界が開けた。お花畑だ!
ワタスゲがびしょびしょ
黄色と紫と白が点在する景色
我々がニセモノと呼ぶもの。尾瀬ではミズバショウと見紛うばかりに幅を利かせていた。こんなところまで浸食していたとは…一体こいつは何なんだ?
岸辺に泡。たぶんシュレーゲルアオガエルの卵。
見上げると岩手山。ガスガスやな。
鬼が城ルート。急峻そうな稜線だ。行かなくて良かったと、この時は胸をなでおろしていた、が…。
お花畑での小休止を終えて山頂を目指す。ここからがハチャメチャにしんどかった。コースタイム1時間程度とあったが、道は狭く、草木に阻まれ、足場もよくない。2時間くらいかかったのではなかろうか。息も絶え絶えになりながら隘路を行く。
景色が開ける。鬼の頭!これが鬼が城と呼ばれる所以か。
しっかり石垣もある。これが自然の造形物とは!
登り始めて5時間弱、ようやく不動平避難小屋へ到着。
これが岩手山頂なり 11時以降ガスる様だったので、避難小屋
に荷物を置いてとりあえず登る。
山頂の風景は浅間山を想像してもらえればと思う。噴火口の真ん中には妙高山。最高点は外輪にあるためお鉢を回る。
真ん中にある妙高山。まるでバベルの塔だ。噴火とともに神の怒りも落ちた事だろう。
お鉢を囲むように仏のレリーフが置かれていた。岩手山、勝手に穏やかな山かと思っていたが、火山のパワーで形作られた荒々しい山だった。
登ってきた道を眺める。お花畑と湖が良く見える。
ここにきて、岩手山の西が火山であり、鬼が城が火口の淵、湖がカルデラ湖(のようなもの)だったと分かる。目線を変えて初めて見える世界があった。感動。
山頂(ほぼ通過したのみ)
今日は雲海。雲の上を歩く。
ここは岩手山神社でもある。戦国無双で見たような刀剣が良い。山に刀だけあるのは男体山以来だな。
本日の宿たる八合目避難小屋。避難小屋だが1,700円。でもキレイ。なにより水が使い放題。これめちゃくちゃ有難い。無限に無駄づかいできる…。
3.八合目避難小屋宿泊~鬼が城コース下山
夕方、なんと晴れてきた。遠くに早池峰山が見える(右)。
見晴らしながらアルファ米とお湯で戻すカレー等食べる。アルファ米全然いけるわ。最高。
他にもパウチのイワシ等試したが良い感じ。∞水だからこそ沸かしたり出来た感はある。
丁度届いたアル中のやつ(スキットル)を初使用 ウィスキー大好きー
振り返ると登山口が500mで最高点2,000m。ログを見ると累計高度1,900m強。今までの山行で一番高低差あったな。バッチバチに疲れた。泊りにしといて良かった。
途中から偏頭痛始まって避難小屋で死んでた。薬は必須やな。
7時就寝。途中起き出して星空を見る。天の川とはいかなかったが、溢れんばかりの星空だった。
朝4時起床。
マジックアワー。クッソ寒かったので避難小屋で朝飯。小屋の中でバーナー付けていいのめちゃ有難い。
ゆったりして6時に出発。帰りは鬼が城コースを行く。
もうお花畑コースはこりごりだったのと、山頂から見下ろした時しっかりした道が見えたため。
避難小屋があんなに遠くに。雄大なカールのような景色。やはり雲の上を歩く。
真正面に岩手山。見上げるよりも全然良いな。
左側は晴れ。秋田駒ケ岳かな?
右手は帰り道。雲がじわじわと稜線を侵略していくのは延々見ていられる。帰りがガスなのは仕方ない…。
花、花、花、青い空、緑の大地。
鬼が城ルート、険しいことには違いなかったが景色は良くアスレチック的な箇所もあり気分が良かった。途中や切通し等は若干傾斜あったが、それでもお花畑コースよりはよっぽどマシ。見かけ以上に良いコースだった。
聞くと最近まで火山ガスの影響で入ることが出来ず、イマイチ整っていなかったとの事。
帰りはまた大地獄谷を抜ける。下りの方が怖かった。五里霧中だった。
帰りは4時間弱。下りも1,500m、七滝コースは日帰りで行くもんじゃない。
4.総括
二つの火山が織りなす表情豊かな自然の造形に目を奪われてばかりの登山だった。
七滝、大地獄谷、お花畑、二つの湖、鬼が城、そして何より岩手山お鉢周りと、各地名に入る毎にステージが変わるような気分。
景色も文句なくそれなりに泊る事も出来る、非常に楽しい山登りだった。疲れたけども。
リュックもまあまあいけそうだったので、次は絶対テント泊山行やっていきたい。
また、山と食欲と私を全部読んだおかげで山飯ブームが自分の中で来ているので、これからもやっていきたい。
以上