登山記録

登山の記録です

2022/7/30-31 八幡平、秋田駒ヶ岳

7/30-31 八幡平、秋田駒ヶ岳ぼくの夏休み
8/6。私は現在青い森鉄道線で八戸から青森に向かっています。最後に青森にきたのは2020/2、かれこれ2年半が経っている…案外時間経ってないな!色んなことがありすぎた。

一週間半にわたる二戸工場実習は無事終了した。肉体労働は疲れたが、この立場でこの経験しているメンバーはそういない、得難い体験ができたと思う。
労働集約型のものづくりがいかにしてこうなっているか、その中で人事ができることって結構ありそうだな、など思っている。経験をなんとか結果として出力していきたい。

先週の土日は秋田攻略、ということで八幡平と秋田駒ヶ岳に登った。どちらも楽しい山でした。

7/30
朝、二戸でレンタカーを借りて八幡平へ向かう。2日で1万ちょいのレンタカーは古めの軽。ナビなどは新しいものに入れ替えられていて不便は感じなかった。
道中、岩手山を登ったときに車をとめたエリアを通過して嬉しくなる。
八幡平アスピーテラインはグネグネだし工事してるしで面倒だったが、八幡平の樹海がバッと開けて見えた時は最高だった。雲を突き破る岩手山をはじめ、山々に抱かれた樹海はどこまでも奥深かった。

車を八幡平展望駐車場辺りに停めて登山開始。登り始めからトイレに行くまでの間にサングラスを紛失したことに気づく。道は限られてるのに、いくら探しても見当たらない。買ったばかりなのに最悪だ…。他にも色々あり、この日は終始テンション低めの山行になった。

八幡平自体は観光気分で歩ける平坦ルート。茶臼山なる小山に登るルートがあったので、それをプラスして3〜4時間程度で回ることとした。

歩き初めて早速、鏡池やめがね池といったキレイな池が見えてきた。雪解けにはドラゴンアイを見ることが出来るスポット。全然違う景色なんだろうな。
登り始めて20分強で八幡平山頂につく。見晴らしは全く無い。その直下にある八幡沼展望テラスに行くと、一気に景色が開けた。

一面に咲く花と沼と緑の景色がすごい。お手軽湿原だ。ニッコウキスゲワタスゲはどこ見ても居た。

木道を歩くと池塘もまじり始めて雰囲気が高まる。

更に奥へ行くと源太森、越えた先には黒谷地湿原。キレイな木道などもあり総じて歩きやすかった。

この辺りは本当に森深く、見下ろすと一面の緑で楽しくなった。
キレイな木道はこれ。

八幡平、秋田駒ヶ岳は「トンボの世界」だった。目を向ければトンボ、トンボ、トンボ。色づく前のアキアカネと思う。夏場は涼しい山の上で暮らして、秋と共に下界に降りてきて産卵するそうだ。
アブを食べるということが影響してか、トンボがいる山はアブが少ないように感じる。だから私はトンボがいる山が大好きだ。
この日もトンボと一緒に森を渡る。黒谷地湿原からは緩やかな山道を通り、30分後に茶臼山山頂へ到着。


今まで来た道含め、八幡平の全容が改めて見晴らせた。樹海とはよく言ったものだと思う。どこまでも沈み込む緑。ちょんちょんと沼が見えると嬉しくなる。岩手山は雲に沈んで見えなかったが、楽しい気持ちでカップ麺を食べて下山。

やっぱりサングラスは無かった。悲しすぎたので昨日新しいサングラスを購入した。金額は2倍超笑 金銭感覚がぶっ壊れてきてる。

下山後は最寄りの藤七温泉へ行った。ここが中々凄いところで、ほぼ野天風呂。車道から風呂エリアが丸見えでしれっと混浴。地面から湧き出るのをそのまま温泉にしているようだ。面白くてよかったが、日差しが暑すぎるのとデカいアブが突っ込んでくるから早々に離脱。
乳頭温泉も似たような雰囲気だったがワイルドさは藤七温泉が勝つな…。

帰りは更に秋田寄り、田沢湖に向けて八幡平アスピーテラインをくだる。途中火山ガス発生のため停車禁止の区間とかあって笑った。
下った先に美しい湖。玉川ダムのダム湖だそうだ。


玉川ダムの資料館があったので立ち寄る。途中玉川温泉があったが、そこ等から出ている温泉水がゴリゴリに水質を酸性?にしててこの色味が出ているそう。生物が生きられないやつだね。人間の戦いの歴史を感じる景色だった。

田沢湖へ着くと祭りがやってるっぽい。ちょっと冷やかして早めの夕食。きりたんぽ鍋定食は美味しかったが米に固めたコメを重ねる感じになってしまった。

スーパーによると大量の酒が売っていたから小さめ日本酒3本買って宿へ向かう。

宿はバブル期に出来た様な温泉付きペンションをリノベしたものらしい。全体的にボロさは隠しきれず、何より部屋に冷房がなくて部屋が灼熱になっており萎えた。あと出迎えてくれたおじさんがマジでクロちゃんみたいで何故か萎えた。ゲストハウス的なわちゃわちゃ感もなく、久々に宿でミスったという気分になった。
部屋に居られないので一階の共用スペースで買ってきたお菓子を食べ、冷蔵庫で酒を冷やし、時間潰しに再度田沢湖へ向かった。

湖の周りをドライブしようかなと回っていたら、今日は19時半から湖上で花火大会をやるらしい。この時6時前。見れるやん!と思い空いてた駐車場に車を停めて湖畔を散策する。
キレイな砂浜があって海水浴ならぬ湖水浴をしている人たちも居た。
夕日が沈む時間帯で刻々と景色が変わっていくのが心地よい。宍道湖に続き、今年は当たり年だ。
夕日が沈んだ後も青にうっすらオレンジをさしたような景色が続いて、ずっと眺めていた。

そうやって待ってると急におばあちゃんから声をかけられた。孫を連れて花火を見に来たらしい。ただその孫は早々に走り去ってしまい、おばあちゃんは砂浜に置かれた椅子にちょこんと座っていた。

私も暇していたのでポツポツと雑談していた。どこから来たかとか何してるかとか、とりとめのない話を続けていたが、段々家族とか家庭の話になってきた。
おばあちゃんは90歳。めっちゃはっきり喋っていたから驚いた。旦那さんとは19歳の時に結婚して、10年前に亡くなったとか。今は子や孫と楽しく暮らしているようだ。めっちゃ長いですね〜!…そんな事を言ったら、いや思い返すとあっという間だったよ、と返される。そう感じるのか、という驚きがあった。その後花火が始まる。湖に映る景色と相まってジーンとくる。
この一瞬一瞬の積み重ねを大事にしていきたい。あっという間だとしてもパーっと弾ける人生を過ごしていきたい。

宿に戻ると相変わらず部屋が灼熱だったから、扇風機かけっぱなしで換気をしつつ一階の共用スペースでビールと日本酒を飲みながら東京リベンジャーズを見ていた。ふつーにおもろい。気付いたら2合分の日本酒が消えた。もう一本買った雪の茅舎は持ち帰りです。
温泉は狭くて年季入っていたがまあ良かった。ギリ涼しくなった部屋で就寝。

7/31
朝起きて、パンを食べて秋田駒ヶ岳へ向かう。
秋田駒ヶ岳八合目登山口はマイカー規制で行けず、アルパこまくさという施設から出るバスに乗る必要がある。
アルパこまくさは広い駐車場があり楽々駐車。7時40分くらいのバスで登山口へ向かう。

8時過ぎに登山口着。いざ登り始める。
メタリックカミキリムシ

山の上はとても涼しい。多分23℃とかか。トンボに誘われ、沢山の花に囲まれて登ると田沢湖秋田駒ヶ岳山頂がドーンと見えてくる。ここまで開始20分。お得すぎ!

最初の休憩スポット、阿弥陀池につく。

ここにつく前から、田沢湖方面より一気にガスが流れてきて急に見晴らしがなくなってきた。
秋田駒の山頂踏んでから回ろうかと思っていたが、道を切り替えて先にムーミン谷エリアを回ることにした。

ちょっと登ると、ドーナツ状の山とボコッとした山が現れた。

緑の中を木道が通っている。これがムーミン谷…? ともかくいい景色。ここで休憩を取る。
そこから痩せた稜線(馬の背)を通り、ムーミン谷下部へ降りる道をゆく。

馬の背は背の低い木が茂っているせいで歩きづらく、またムーミン谷へ降りる道は浅間山の「草すべり」位の急坂で中々険しかった。

降り切ると山と山に挟まれた木道に繋がる。花々に囲まれた道はとても気分がいい。雲も晴れてきた。ムーミン谷かどうかはわからんが、間違いなく気分のいい道に感激。

歩くほどに景色がいいからみんな行ってくれ。

木道をわたり切ると急に景色が変わる。ザラザラした砂の道、大焼砂だ。

きっと富士山の大砂走りもこんな感じなんだろうな。緑が一切ない、荒涼とした景色に驚く。
ただ急斜面を見ると沢山のコマクサ!

稜線に出るとありえない爆風に晒されてゲラゲラ笑いながら登っていたが、そんな中でこそ咲き散らかすコマクサの凛々しさにキュンとした。

遠くには早池峰山、脇には岩手山が見える。

早池峰山はいつか登りたいな。

横岳まできて昼飯を…と思ったらなんとお湯がない。水筒を忘れてきてしまった。めちゃくちゃ残念。
時間を調べると、コースタイム通り降れば丁度バスがありそうだったので行動食でごまかしてそそくさと下山。
終わってみると3時間ちょいの山行だった。見ごたえがあってとっても良かったです。

下山後は乳頭温泉 鶴の湯へ向かった。秘湯と言うがまさにそのとおりだった。設備とかは皆無だから、小綺麗なのを期待していくと気圧されちゃうかも。カップルとか入ってったけどどんなテンションになるのか…。
ここでもバカでかいアブが突っ込んできたから内湯でゆっくりして退出。
昼飯は謎のジンギスカン屋で定食。めーっちゃ旨かった。大満足でした。

秋田駒も八幡平も、歩くほどにステージが変わる多様性に満ちた山で岩手山を思い出した。秋田駒ヶ岳は特に要素が凝縮されていたからとても楽しいと思う。
ただ行程はキツくはないから、某たなかな氏が「今回は思い出ないかも…」とか言い出しそうだ。しらんけど。

帰りは雫石の方を回って二戸へ戻った。ひとめぼれソフト、何故かいちごと勘違いしてたがお米だったわ。
帰りに見上げた岩手山は、巨大な亀のような重厚感でとてもかっこよかった。
見る方向によって印象が大きく変わる岩手山奥羽山脈の山々は一言では捉えきれない大きなギャップに満ちているが、岩手山はそれを体現しているようだ。

東北が大好きな土地になりつつある。まただらっと旅しにいきたい。できるだけ会社の金で…笑