1.山下真弓さんイベント
5/11に守屋山にて開催されたYAMAPの山下真弓さんイベントに、妻が当選したということで現地に送っていった。諏訪の南に8時30分集合で朝5時過ぎに出発したが、なんとか間に合ってよかった。
イベント終了は16時。眠かったらスーパー銭湯で寝ていようと思ったが、意外と眠くない。7時間強あるが何をして過ごそうか。地図を見ていたところ、意外と八ヶ岳が近いことに気付いた。そうだ、「にゅう」に行こう。急いで車を走らせたのだった。
2.にゅうとの出会い
私が山を始めてすぐ、2018年に購入した山同人誌「三者山様」で「にゅう」が載っていた。静かな森の写真に表記ブレが激しい看板が乗っている見開きであったが、不思議な魅力があった。それ以来北八ヶ岳行きを度々計画していたが、天気が悪く中止になってついぞ行けなかった。赤岳とか冬の天狗岳〜硫黄岳は行っているのにね。意図せず何年か越しのリベンジとなった。
この本、なんとBOOTHで無料公開されていた。ある意味私のバイブルなので、是非読んでほしい。
3.にゅうに登ろう
この日は時間制限もあったので欲張らず、白駒池から入りにゅうに行き、その後高見石小屋で揚げパンを食べて白駒池に戻ることとした。
守屋山登山口から車で1時間、 入口のある麦草峠に到着。麦草ヒュッテにある無料駐車場は満車だったので、白駒池の方にある有料駐車場に駐車した。10時くらい到着だったが、こちらはまだ余裕があった。
白駒池の入口から入ると、いきなり穏やかな森が始まりテンションが上がった。原生林と苔に覆われた森の中を、広い木道に沿って歩いた。
ちょっと歩くと白駒池に着いたので、行きは青苔荘側から回った。青苔荘には雰囲気のよいテント場があったので、いつか泊まってみたい。
ここから池を回るとにゅうへの分岐がある。引き続き気持ちの良い木道が続く。その先、開けたエリアにでた。白駒湿原だ。予想していなかった光景で和んだ。
ここから先は湿った森の中を進んだり岩っぽい道を登ったりと、八ヶ岳らしい道が続いた。開始1時間位経過したところで、開けたエリアに大きな岩があった。にゅう山頂だ。期待していなかったが展望は非常に良く、富士山と硫黄岳がキレイに見えて気分が上がった。
この日は澄んだ快晴でどこまでも見通せた。山頂でカップ麺を食べてぼーっとし、しばらくして高見石小屋へ向かった。
来た道を戻り池沿いを通過し、高見石へのルートに入る。やや急だなと思って登っていたら、高見石小屋にある地図には「急な下り」と書かれていた。
しばらく歩いて高見石小屋に到着。早速巨大な岩を乗り越え高見石頂上に立った。
にゅうの方が展望良かったためそそくさと戻り、名物の揚げパンを注文。コーヒーを挽いて頂いた。この時間のために今日があると思った。大満足だった。
年中苔むしてるのでいつ行っても楽しいことだろう。
「うずまき」
4.にゅう?
さて、道中にはたくさんの標識があった。「にゅう」を示すものも沢山あったが、何故か表記が統一されていないのが面白い。私が出会った順に並べていく。
最初に出会ったのは「ニュウ」早速カタカナである。
次は「ニウ NI U」なにもかも違う。
ニュウ「NYUU」ローマ字まで表記が合わない。
「にゅう NYUU」初めてひらがな表記だ。
「にゆう」ひらがなにもバリエーションがある。
「に う」可愛げがあってほほえましい。
「にゅう NYUU」山頂の手前だし、きっとこれが正解なのだろう
「にゅう NEW」 NEW!?手前にあった正解とは何なのか??
「乳(ニュウ)」高見石小屋の分岐が近づくと、「乳」が現れ始めた。
「にぅ」 最後の最後に新しい「にゅう」が現れてずっこけた。
ここに載せきれなかった「にゅう」は、私のInstagramを参照ください。
https://www.instagram.com/p/
16枚の看板には以下の通り記されていた。
1位:ニュウ…4枚
2位:にゅう、に う…3枚
3位:乳(ニュウ)…2枚
4位:にゆう、にぅ、ニウ、ニュー...1枚
(ローマ字編、併記されていたものを別集計)
1位:NYUU…3枚
2位:NI U、NEW...1枚
なんということだろう、地図にも記載された「にゅう」の表記は全体の2割弱だった。
また、地図上の英語表記は「Mt.Nyu」なので、一致する英字表記は1枚もなかった。
表記ブレは多少あれど、ここまで統一されていないのは不思議だ。八ヶ岳の中にも、この岩ぼっこの山をどう呼ぶかで勢力が分かれているのだろうか。
私の通った道でいうと、
・白駒池入口~青苔荘辺り:ニュウ
・青苔荘~にゅう山頂:ひらがな多め(にゅう、にう、にゆう)
・湖畔の高見石方面~白駒荘辺り:「乳」「にぅ」
という分布だった。看板設置者毎のこだわりが強く出ているのではないか、と私は感じた。
5.正式名称は何なのか
「にゅう」について由来をインターネット検索で調べると、以下のような説明が出てきた。
・ヤマケイオンライン:「刈り取り後の稲を円柱形や円錐形に積み上げる稲わらの「にう」が語源とされる。」
にゅう (にゅう):2,352m - 山と溪谷オンライン (yamakei-online.com)
・遠くから見た形が「乳」に似ている(ヤマハックに記載有、出典不明)
・「丹生(にゅう)」:「赤沙」つまり「丹」を産するから「丹生」という地名がつけられた
大分市「丹生」の地名の由来を知りたい。 | レファレンス協同データベース (ndl.go.jp)
どれかが由来となっていそうだ。しかし明確な由来は見当たらなかった。
どのような経緯を辿って現在の形になったのかは分からずじまいだったが、この愛らしい呼び名と素晴らしい展望をもつ「にゅう」は、きっと昔から愛されてきたのだろう。
北八ヶ岳へ行く際は皆さんも「にゅう」の足跡を辿ってみて頂きたい。楽しい山行になることだろう。
以上