登山記録

登山の記録です

2021-06-26 舞台 夜は短し歩けよ乙女

今回は山じゃない話。

昨日、舞台版夜は短し歩けよ乙女を観た。
高校時代に読んだ結果、大学生と京都、そして黒髪の乙女への憧れを頭の根っこにインプットされてしまったこの小説。

その後素晴らしアニメ映画となり、今度は舞台化。
ヨーロッパ企画謹製ということで、脚本を「4つの季節を一夜の夢」に仕立て上げて映画化した手腕を知っていた私は、期待に胸を膨らませて大阪城公園に向かった。

結果、とっても楽しかった。この時勢によくぞここまで…。
良かったポイントを取り留めもなく羅列していく。

冒頭、映像との掛け合わせで先輩のひとり語りが始まる。
森見作品のこじらせ大学生は、神谷ボイスの似合うマシンガントークがピッタリな感じで一体どう見せてくのかなと思ったが、しゃべくりを入れつつ体の動きと声量で魅せる感じでスッと入ってきた。掴みの笑いが楽しい。
パンツ総番長と図書館警察が準メインキャラで終始出てきてたの楽しかった。
他にも演劇故か、色んなキャラが原作以上の役割を担っている感じ。パンフ読んだら、これでも多い方なのだと。この辺違和感なく良かった。

次は黒髪の乙女。乃木坂の久保史緒里さんという方らしい。
遠目だったがイメージ通り。天真爛漫恐れを知らない、夜の街を美味しいお酒とおともだちパンチで練り歩くのはとっても可愛く、素晴らしかった。
おもむろに始まるラップ。あれは一応音楽カウントされてたらしい。
スルスルセリフが入ってくる感覚は小気味よかった。
樋口さんはイケメン感あったね。
先輩は劇の1/3くらい半裸で笑った。
詭弁踊り、マージでやるやん。アニメの動き準拠?いやマネできんやろ。
結婚式の先輩と春画の人、最後まで出番あってこれは劇っぽいと思った。
電気ブラン本当に美味しそうで良かった。

そして満を持して登場する李白竹中直人
圧倒的な説得力。これポンポさんで見たやつだね。
超然的なキャラを説明なしに伝えるために竹中直人が出てくるの、すごい発明。
そうやって先斗町の夜は更けていく…。
先斗町という響きがいいね。ポン、と。乙女が跳ねる街にピッタリだ。

随所にアニメ風のくだりが現れる。ナカメ作戦とか。
次は夏。ちゃんと全部の季節やっちゃうんだ、という驚き。実質4舞台分よな。春でエンドロール出てきたの、めっちゃ笑った。

夏は神様が出張る。母親も出てきたおかげで、神様というか本に詳しいクソ生意気なガキという感じだった。
本は全部繋がってるところの小気味よさ。前ふりあってからの接続に感心。
鍋のオチは笑った。キャッツアイかよ。

秋、学園祭。一番ボリュームあったくだり。
パンツ総番長、八面六臂の活躍。図書館警察のこと知ってるとニヤニヤしてしまう。
ゾウのしり出てくるだけでおもろい。絵が強い。
劇中劇というのがかなり効いてた印象。乙女のプリンセスダルマは最高だったな。
あとずっと乙女が緋鯉背負ってるの。最高。かわいい。ここ一番好きポイントかも。
先輩は途中消えてたな。外堀埋めるマン。
みんなが走るシーンとか、ホントに場面遷移してる感じでワクワクした。終始この辺の見せ方が良かったね。歩く、走る、歩く。夜は短し歩けよ乙女に相応しい仕掛け。
最後に李白出てきたのはびっくりしちゃった。鉄道のヤツの夢が叶ってたのも含めて面白すぎ。
先輩キマってたね〜。

歌舞伎的な要素を印象的に使ってたな。
中村壱太郎がパンツ総番長の初恋の人演るところ、ビックリした。艶めかしいぞ!?
こういうメタ的なところは舞台特有の笑いポイントだったな。
お祭り騒ぎでコイが跳ねるところまで面白かった。

そして冬。外堀埋めたかいがあったね、先輩。
偏屈王の先輩カッコよかったし刺さるわな。
李白さんのところ、映画見てたからスッと入ってきたけど、見たことない人はどう思ってみてたんやろか。想像つく?
李白の部屋でくしゃみする度背景がブレてて、細けーー!ってなった。
謎にみんなでタイトルを叫ぶところはなんかよくわからんかったが、雰囲気でオッケーだった。
先輩のくだり、まじで近況報告だけで笑った。
脳内会議のところすごかったな!何人出てきた!?
乙女がこの一年間の縁を辿って辿っていくのは、夜は短しの良いところに直結する良いシーンだった。
色んな縁に恐れなく飛び込む乙女が積み重ねてきたもの、劇で人間関係が集約されたお陰でより分かりやすくなった印象を受けた。

そして最後、また春が来る。桜、歌、進々堂
歌っぽい歌(ラップじゃないヤツ)はここ位か??良かった。かわいい。
初めての進々堂から一巡して、最後の進々堂に帰着する作りの良さがより際立っていた。

映像やステージの組み合わせで、光景が目まぐるしく変わってすごかった。今まで見た舞台は割と装置固定、演技で場面転換を見せる感じだった。
その印象で来てたら全然違うやんすげーなヨーロッパ企画、という感じ。
舞台に収まりきらない情報量でお腹いっぱい。
樋口さんと羽貫さんは若干存在感落ちた?他がいっぱい出番あったせいかな。

アニメの夜は短しを下敷きにしてた印象。
縁の深まり時間の流れの中を歩く乙女の魅力がパンパンに詰まった舞台だった。
3時間あっという間!楽しかった。笑いポイント多かった。みんな笑ってて一体感、ライブ感ありやっぱいいなと思った。
多少オーバーな方がよく見える舞台、中村壱太郎の歌舞伎パワー、めっちゃハマってた印象。
結構たくさんのセリフ系ラップがあった。その度に話や時間がグッと進む感じとか、話がまとまる感じがあった。セリフもスルスル入ってくる。
セリフと演技、映像に音楽が加わる事で情報の切れ味が上がるすごい体験だった。

とりとめなく書いた。気が向いたら整理する。
大満足の舞台でした。これからもどんどん行きたいね。

行きたい山

9月の黒部源流山行以降、どんな山に行ったかなと思い返すと

金剛山(健康登山 ランカーがすごい)

比叡山(半分観光)

・蓬莱山(琵琶湖バレーに徒歩で行く)

・竜ヶ岳(本栖湖キャンプのおまけ)

伊吹山冬(雪山リハビリ またしてもガス)

荒島岳(2月がっつり雪山 頑張ったし最高の景色)

藤原岳(GW滑り込み登山)

 

月1回行けたか行けてないかというペース。栃木に居た時と比べると、この時期なら実は頻度はそんな変わらない。にしても悲しい密度。骨があったなと思うのは荒島岳か。2021年度もこんな調子ではどうなってしまうのか。(一応、5/15-16で涸沢に行く予定だ。とっても楽しみ。)

 

関西に越してきて一年、車が無い事、ある程度標高があり景観に優れた山が近場に多くない事を理由にフラストレーションが溜まってきている。

このまま登りたい気持ちが消えてしまうのは避けたい。

なので夏~秋登山を狙ってやりたい事を記録しようと思う。

 

<行きたい山>

・くじゅう連山

・大山(鳥取

・燕岳

・木曽駒→空木岳

五竜岳

北八ヶ岳

・槍、劔(長めの休み取れたら)

 ・小野アルプス

熊野古道

・東北、北海道のいい山

・氷ノ山

 

どれも遠い。土日とも晴れていることが前提になるが、6,7,8,9月の週末は高確率で雨が降る。直前まで実行できるか分からないのが、大阪住まいの一番つらいところだ。

 

こればかりを狙うと行けるのは小野アルプス位でしたとなりそう。

関西に日常的に行って楽しい山は無いだろうか。六甲山か...。

同じ山に何度も行く事にモチベーションが上がらない辺り、自分の好みが知れる。

 

この隙間を埋めてくれる良い山は無いだろうか。

全敗中の伊吹山には恐らく行くだろう。

三重の山は結構良さそう。ただしアクセスが良くない。

日帰りだったら六甲山というか、須磨アルプスを歩き倒す感じになるのかな~~。2021年、レベルアップに繋げたいが悩む。

2020-09-12~15 黒部源流-雲ノ平山行

勤続のご褒美に、5日連続の有給休暇を取得する事になった。

本当はタイの同期を訪ねようと画策していたが、昨今の状況で難しい。空っぽの予定を何とか埋める事にした。

 

8月~9月、白山、涸沢・穂高、白馬岳と北アルプス方面を歩いてきた。登山を始めて3年位、テント装備を背負ってもコースタイム程度に歩ける事は確認した。せっかくだし、日本最後の秘境、雲ノ平に行こう。

以下はその記録です。

 

0.計画

 準備8割本番2割、と前に上司に言われた。何事も本当にその通りと痛感するばかりだ。勿論山でも同じという事で、コースタイム見合いの行動計画を作った。

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 結構きっちりやった(つもり)。実績はどうだったろうか。

今回の行程は以下。3泊4日47㎞、やり切りました。

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 ※鷲羽岳のピストンを記録し損ねてます。

 

1.9/12 折立→薬師沢小屋

 前日早々に仕事を切り上げて、サンダーバードと新幹線を乗り継ぎ富山へ前乗りする。

いつぞやのGWぶりの富山。あの時は車だったな。美味しいもの食べたかったけど、今回は泣く泣くスルー。ホテルで「黒部源流山小屋暮らし」を読んで就寝。

 朝、6時ちょい発のローカル線→バスに乗り、折立登山口に向かう。

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 味のあるローカル線。懐かしくなる。辿り着いた折立登山口。8時過ぎ、クライムオン!

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 そこそこキツイ感じと評されていたのでじわじわ歩く。まあ大丈夫でした。

 道中左を向くと、遠くに剱岳が!!地獄の針山に例えられる急峻な山容がここからでも分かる。思わぬ景色にテンションが上がる。

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 11:30、太郎平小屋到着。これから向かう山々が姿を現した。正面が雲ノ平と水晶岳。既に見晴らしがすごい!

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 太郎平のニンニクラーメンを美味しそう~~~に食べるおじさん達を横目に、せっせと昼食を摂り薬師沢まで一気に下る。

 坂と木道が入り混じる森の中を抜けると、段々沢の音が近づいてくる。

流れが近づく程傾斜が急になる事を、この山行では何度も経験する事になるのであった…。

 突如木造の小屋が姿を現す。14時過ぎ、本日のゴールの薬師沢小屋だ。

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 コロナのせいか、一人布団2枚分のスペースを提供された。横はビニール張り。快適!だけど山小屋は苦労が絶えないな…。

 荷物を置いてビールを飲み探索する。

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 最高やな。薬師沢のとってもきれいな水に冷やされた酒は最高。

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 吊り橋から見下ろす。落ちそう~

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 小屋のすぐそばで岩魚釣りをしている。沢釣りのおじさんと話し、岩魚釣りの醍醐味をたっぷり聞かせてもらう。人と魚の真剣勝負、これはハマる訳だ。

 実際何匹もの岩魚を目視出来た。夏をこの小屋で釣りしながら過ごすの、やってみたいな。

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 晩御飯は豚の角煮を始め非常に美味、水は潤沢、小屋は快適。素晴らしい一泊となった。

 

2.9/13 薬師沢→雲ノ平山荘

 当初は雲ノ平キャンプ場→水晶岳往復を計画していたが、午後から天気が最悪という予報だったので山荘泊に変更(太郎平小屋で決断していた)、朝の内にさっさと移動するつもりで6:15薬師沢小屋出発。

 薬師沢小屋から雲ノ平への登りは急登と聞いていたが、実際非常に苦しい道のりだった。

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 岩をよじ登る。辛かった…。大体1時間半位歩いたろうか。木道が始まり、傾斜が緩やかになり、目の前が開けた。アラスカ庭園!遂に雲ノ平に辿り着いた!

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 と喜ぶのも束の間、横殴りの雨と雷鳴が降りかかる。この真っ平で雷は洒落にならない。追い立てられて先を急ぐ。

 途中木道で滑って泣きながら歩くと、見えてきた雲ノ平山荘。8:40到着!天候回復するか分からなかったので、この日は停滞する事に決める。乾燥室に濡れたウェアを突っ込む。(一部最後まで乾き切らなかった。ショック…。)

 ココアを飲み、本棚の本を読み漁り、山小屋内を物色しながらだらだらする。本当にキレイでお洒落な小屋。泊まる事にして良かった。

 よなよなエールが置いてあるのもベスト。美味しかった。

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 黒部源流の父 伊藤正一さん。黒部の山賊ですな。

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 午後しばらくすると雨が止んだ!雲ノ平散策に繰り出す。

 道中なんとなく良かった景色を見直してきた。雲上の別天地に来てしまった。

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 眼前には立ちはだかる水晶岳、雲ノ平山荘。雲ノ平と水晶岳はニコイチやな。

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 夕食は石狩鍋。品数はともかくとして味がグッド。食べまくる。

 席のおばさんがしゃべり倒していたな。他の人の話を全て自分の山の話にもっていく姿は手塚ゾーンも驚きの吸引力。明日新穂高まで帰るらしい。体力は凄そう。

 夜、スライドショーを見る。小屋番の伊藤二朗さんの話とともに、黒部開拓時代の写真を通じて山が今の形になる歴史を辿る。

 登山者一人ひとりから取り組むべき事がある、というのは今まで考えた事が無かった。享受するだけでない事、果たして自分に何ができるだろうか。

 雲ノ平山荘の優しさに包まれながら就寝。

 

3.9/14 雲ノ平→高天原温泉ピストン→三俣山荘

 朝、暗い中目覚めて朝食(フルグラ×スキムミルク)。フルグラは美味しいが満腹感が弱いのが難点。

 この日は荷物をデポして高天原温泉往復、雲ノ平キャンプ場宿泊を計画していた。コースタイムが意外と長い。ちょっと急ぎ目に向かう。濡れた石で転倒し、派手に擦りむいてしまった。これが今回一番大きな怪我になった。この程度で良かったと思うべきか。

 日が登る。この日は快晴!昨日とは見違える雲ノ平の姿に感激しながら歩く。

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 雲の中の雲ノ平山荘。この形はとりわけ印象的だ。雲ノ平の中心に鎮座するのにふさわしい、山と一体となる姿のように感じられる。 

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 高天原温泉への道中に電波塔。なんと電波が入る!各所に連絡を取って再出発。

 水晶岳越しの朝日が清々しい。奥スイス庭園の雰囲気も見事。荷物も軽い、足取りも軽快。このために山をやっている。

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 高天原へやや急な下りを歩く。高天原峠を過ぎると快適な道に入る。森の中を歩く。八ヶ岳を思い出すな。

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 高天原から薬師岳を臨む。たおやかで美しい。いいなあ~

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 出発2時間後、本当にこんなところに温泉があるのか…?と思いながら歩くと、 硫黄のにおい。沢沿いにあばら屋が。

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ホントにあった!高天原温泉だ!!

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 中にはまごう事なき硫黄系温泉。2日ぶりに、しかも山の中で温泉に入れるなんて最高…!

 温度はややぬるく、いつまでも入っていられる温度。傷にも意外としみなくて良かった。沢を眺めると、そこには野天風呂。浸かり直す。

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 この中で温泉、最高だ。この魅力は、来て見て入ってみないと分からなかったな。湯温のお陰で服着た後汗だくにならなかったのも良い。

 足取り軽快、雲ノ平への道を戻る。道中の景色がまた素晴らしい。歩荷さん。

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 伊藤二朗さんとすれ違った。重そうやな~ 薬師岳、驚きの雄大さ。

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 水晶岳。ただただ、素晴らしい景色。

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 なんと11時半には雲ノ平に戻ってこられた。今日を終わりにするのはもったいない。行程を早め、三俣山荘へ向かう事に決めた。昼食を摂り、12時過ぎに出発。

 重量20kg弱が襲い掛かる。重さは敵。辛い。苦しい。肩が痛い…。振り向くと遠くに雲ノ平山荘。絵になる小屋だ。 

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 スイス庭園と山々の対比が美しい。

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 薬師岳の美しさたるや。今度は登りに行きたいな。

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 木道をずんずん歩く。振り返ると遠くに高天原山荘が見える。(谷の合間)随分遠くに来たもんだ。

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道中のだだっぴろいエリアで休憩。この辺で、今まで鷲羽岳だと思っていたものが祖父岳で、目の前が三俣蓮華で、鷲羽岳は全然違う山だったことに気づく。

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 三俣蓮華岳は、横から見た姿が非常に良い。ペルソナ4のコノハナサクヤの様では??

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 鷲羽岳は横から見るとぴんと来ない。

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 ここから一気に沢に向けて下って登り返す。辛い!目の前に三俣山荘は見えているのに、かくも遠い道のり。

 最初下りきると、沢にロープが渡してある。これを渡るか、と思った瞬間ピンときた。地図と照らしてみる。ここが黒部源流だ!

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 感極まる。顔を洗ってぼけーっと流れに耳を傾ける。ここまできたんだな。歩いてきてよかった。流れ美し。ここから山を穿つ大きな流れに成長していくのかと思うと、自然のパワーに圧倒される。

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 ここから登り返す。重い。大変。

 上に青空が見えてきた。登り切ると、そこには巨大な鷲羽岳。14時半、遂に着いた、三俣山荘だ!

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 小屋で手続きし物色する。喫茶でカレーを注文。こんなに美味しいカレーは無い。感動。生きててよかった。ここのコーヒー作ってるとこ、素晴らしくお洒落で良い。

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 今日の我が家を建てる。飯を食べる等して就寝。

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 夜は思ったより冷えた。ぎりぎり寝られたものの、寝袋が濡れてたら…もっと天候崩れてたら…ダウン系持ってきてなかったら…と思うとしんどくなった。

 

4.9/15 三俣山荘⇔鷲羽岳→双六→新穂高温泉

 朝4時起床。朝食は米、親子丼、味噌汁。5時過ぎ、空身で鷲羽岳へ登る。

 ガレた急登だが体は軽い。徐々に日が昇り始めていく。黒部五郎岳の方に、鷲羽岳の影が映る。すごいものを見た気持ちになる。

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 鷲羽岳登頂。登り切ると黒部の山々と槍穂高の大パノラマ!

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 水晶岳、赤牛岳を結ぶ稜線の美しさ。また全然違った表情を見せる。今までの道のりを噛みしめて感無量。遠くには立山だろうか。これを歩けたら気持ち良いだろうな。

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 ひとしきり楽しんでテントに戻る。

 この間、色々調べた結果16:55発のバスで高山駅→大阪まで帰れる事、時間が十分ある事、テント泊が寒すぎた事、双六小屋のテント場がすごく寒そうに見えた事を踏まえ、新穂高温泉まで下る事に決めた。

 テントを乾かし撤収し、8:00出発。

 鷲羽岳を振り返る。非常にかっこいい。いいテント場、いい小屋。良い場所だったな。

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 三俣蓮華岳を登り、双六岳への稜線を歩く。アルプスの景色、空の上を歩く。最高だ。

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 双六岳も大展望。

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 笠ヶ岳に続く稜線。本当に”笠”だ。素晴らしい形。

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 双六岳の下に「天空の滑走路」なるエリアがあるらしい。何かと思うとその通り、 槍ヶ岳に飛び立つカタパルトだ。

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 10:30双六小屋到着。十分間に合う。五目ラーメンとビールをキメて新穂高温泉へ向かう。

 当初宿泊予定の双六キャンプ場を眺める。谷間の池と幕営場。爆風で寒かったな。泊まったら凍えていた事だろう…。

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 稜線を歩きながら弓折分岐→鏡平と下っていく。横には西鎌尾根越しの槍ヶ岳穂高の大展望。これが見れるコース、大満足だ。

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 前回、白馬岳で下山後に発熱する等した。原因は多分、下りで自分の限界以上の体力を消耗してしまったせいだと思う。先輩がいう軽い熱中症というのもあっただろう。

 今回は律儀に給水休憩カロリー補給を行い、小池新道を下っていく。非常に歩きやすい道だが距離があった。登るのも大変そうだ。

 14時、わさび平小屋に到着。キンキンに冷えたキュウリを食べて水分塩分補給し、最後の歩き。1時間だらだら歩くのは地味にきつかったな。

 15時、新穂高温泉到着。お疲れさまでした!!!

 

5.振り返り:実績と反省

 計画通り動いたのは初日のみという結果でした。

 ・2日目:悪天候のため山荘に停滞。水晶岳は登らず。

 ・3日目:雲ノ平テント泊→三俣山荘テント泊に変更

 ・4日目:双六小屋キャンプ場泊を取りやめ新穂高温泉へ直行

(良かった点)

 予想以上にコースタイムを巻けた事を踏まえ、3日目に動いたのは良い判断だった。

 5日目は荒天も予想されていたので、結果2日目以外はびしょ濡れにならずに済んだ。

 ある程度コースが頭に入っていたので、色々迷わず動けたのも良かった。初めての山だが、ある程度イメージを持って動けたお陰で余裕があったし、早く動けた事にも繋がったと感じる。

 体力的には問題なかった。下りで体を労わったお陰か、筋肉痛もそれほど出なかった。

(反省)

 リサーチ不足。

 「濃飛バスターミナル=高山駅」という事を調べきれず帰りのバスを13:55発に絞っていたので、鷲羽岳で調べていなかったら4日目5日目を持て余す事になっていただろう。

 しかも今回の山行は宿泊場所でほとんど電波が通じず、明日の天気も検索困難な山行になった。(これも考えてなかった。ラジオあると良かったか。)

 そして山小屋、食事提供してない小屋でもなんと軽食は提供していた。HPにそこまで書いてあっただろうか…?これを踏まえれば、もうちょい食糧削れた。

 こういった情報を調べられていれば行動の選択肢も広がっただろう。準備8割と言いつつ、実際は5,6割だったなと反省。

 あとは9月の寒さが想像以上にきつかった。

 三俣山荘で天気が荒れていたらまともに寝られなかった。寝袋の保温機能を上げる装備を持っておくべきだった。(カバー等)

(困った点)

 雲ノ平山荘の乾燥室が微妙でタオル等が乾き切らず困った。タオルはともかく速乾のものが要る。雲ノ平山荘で買った手ぬぐいが重宝したから使っていきたい。

 荷物はやっぱ重い。重さが偏っていたのか左肩ばかり痛くなった。電子機器、食糧、衣類が悪さをしている感じがするが、減らす気もそんな無いのでパワーをつけるしかない。

(食糧計画)

 ・朝食はフルグラを食べた。美味しいが、イマイチ食べ応えがない。50g/食とあるが80g位食べないと溜まらない感じ。あとスキムミルク必須。

 ・パスタはそこそこ。ただカロリーが足りない。強めの副菜が必要。

 ・棒ラーメンは中々良いが、とろみのせいで食器の後始末が面倒。

 ・アルファ米は安定。後片付けも楽。泊数が少なければ米メインで良い。

 ・魚の缶詰は、米と食べると(猫まんま的な感じで)汁の処理まで出来るからセット運用が良い。

 ・初日は保存効かないもの、多少重いものも食べられるから、今後も色々持って行って試したい。

 行動食:

 ・山用っぽい塩もちが美味しく腹にたまる感じでよかった。

 ・最強の行動食はカルパス(丸々1本で100円)。1本で200kcalちょいかつ高たんぱく。本当に消耗してる時に食べないとカロリーも塩分も過剰な食べ物なので、使い時と食べすぎに注意。下界では危険。

 ・プロテイン入りウエハースやカロリーメイトは安定だが、腹持ち弱い点が課題。

 ・久々にスニッカーズ買ったけどこれはgood。食べ応え抜群。

(全体を通じて)

 ともかく3泊4日、致命的なケガや事態にも遭遇せず歩き切れた事が嬉しい。成長を感じる。

 この世のものとは思えない景色の中を、最高の天気で過ごせた事は忘れられない体験になった。

 なんでこんな苦しい事やってるんだという気持ちと同じ位、山楽しいという瞬間があって、登山やってて良かったと実感。集大成に相応しい山行になった。

 

 雲ノ平山荘で、伊藤二朗さんは「登山者から行動を起こす」事について述べていた。

 山を歩き続けるために、自分に何ができるだろうか。自分の事ばかりで、考えた事もなかった。

 今のところお金を落とし続ける事位しか思い付かないが。考えながら、登山を続けていきたい。

 

以 上

2020-08-12~14 涸沢→奥穂高→前穂高

前の岩手山から1年位ほったらかしていた。ブログに書いてないだけで、山には引き続き行っている。

この間、栃木から大阪に引っ越す等大きな変化があった。車も失い楽しい山へ行きづらくなったが、唯一アクセスしやすくなった高山がある。そう、北アルプスだ。

天気も見えぬ中、8月連休を使い上高地へ向かう私。2年前の雪辱をいざ果たさん。

 

1.8/11 夜行バス→上高地

 栃木に居た時は「東京まで出る」という余計な行程があったが、大阪からは直接行ける。北アルプスがアクセスしやすくなった所以だ。

 午後にホームサウナの大東洋で英気を養い、21時に夜行バスに乗り上高地へ向かう。

 座席3列、人はガラガラ。コロナは恨めしいがこういうところは有難い。

 気が付いたら眠りこけていた。

 

 ここで当初の計画を説明しよう。

 8/12 上高地から涸沢へ向かう。

 8/13 涸沢から奥穂高岳を目指す。穂高岳山荘へ宿泊。

 8/14 ①涸沢へ引き返し上高地へ戻る

    ②北穂高岳に向かい、涸沢へ降りて上高地へ戻る

    ③前穂高岳へ向かい、重太郎新道から上高地へ戻る

 穂高岳山荘へ泊る事が一つの目的だったのと、白山テント泊での重量感を加味し今回は2泊とも山小屋泊という贅沢山行を敢行。

 3日目の行動は天気と自分の元気を見て決める事とした。

 尚、2年前の同じ時期に涸沢小屋まで行った。その時は天気が悪すぎて、奥穂高岳に登る事なく雨の中撤退したのだった。

 リベンジ戦、期待半分不安半分の出発だった。

 

2.8/12 上高地→涸沢ヒュッテ

 5:20 上高地着。

 バスターミナルでは多くの登山客が出発準備をしていた。私も飯を食べながら準備を進める。

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 のんびり準備し6時前出発。どんよりとした雲の下、徳沢→横尾→涸沢へと向かう。

 下道3時間は相変わらず単調。大体同じ位置にサルがいるのは面白い。

 時間的にかなり余裕があったので、徳沢でアフォガードを食べてのんびりと向かう。

 

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 横尾からはそこそこの登り。ガレ場トラバースのところ位で晴れ間が見えてきてテンションが上がる。

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 5時間半後の11:20、涸沢カール到着。2年前よりは晴れている!テンションが上がった。

 

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 前はなんだか良くわからなかった逆サイドの山もよく見える。今回はあれが常念、大天井の稜線だということが分かる。多少知識がついたと実感。

 前回は涸沢小屋だったので、今回は涸沢ヒュッテに宿泊。部屋はなんと布団一枚分の個室!素晴らしい環境。

 ついてからはひたすらキンドルで四畳半タイムマシンブルースを読んだり昼寝をしながら夕食を待つ。時間使いが荒い。

 度々雲が切れるのを期待して外に出たが、天気はじわじわ下り坂で途中から萎えてしまった。

 コロナの影響で談話室も閉鎖中。山小屋での究極の暇つぶし、「岳」を読むという退路も断たれてしまった私は、四畳半どころか一畳もあるかないかの個室に籠るしかなかった。

 

 17:00、美味しい夕食を食べ就寝。日付が変わったくらいに外に出たら、若干の星が見えて気が紛れた。

 

 尚、この間に四畳半タイムマシンブルースは読み終わってしまった。

 私の大学生活に深々と突き刺さる四畳半神話大系と、サマータイムマシンブルースの親和性には中々満足できたのだが、ちょっとボリュームが少なかったな…。

 

3.8/13 涸沢ヒュッテ→穂高岳山荘

 真っ白な雲に包まれて朝食を食べる。

 と書くと中々良さそうだが、実際は白いもやもやの中で景色も見えずに味気なくパンを齧るのだからやっていられない。

 この日は朝から雨。天気が持ち直すまで粘ろうと、朝の8時まで部屋でゴロゴロしていたが、流石に堪えかねて一路ザイデングラートへ向かう。

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 これでも雨が止んだ時を狙ったのだが、登り詰めるにつれて雨が強まった。

 外は寒いのに体は熱いという悪循環、悩んだ末半袖の上にシェルジャケットを羽織り登っていく。

 パノラマコース(何も見えない)を歩いて1時間、ようやくザイデングラート取り付きへ到着。

 巨大なワニの顔がお待ちかね。よく見るとワニの頭の上を人が登っている。これがザイデングラートか。雨脚強まる中、岩をがしがしよじ登る。

 確かに道は狭く歩き辛い。もはやクライミング。雨で気持ちはさらに落ち込む。滑らないように注意して歩く。

 

 1時間弱登っただろうか。何やら人がごみごみしている。

 電話しているお兄さんと、支えられてキョロキョロしているおじいさんがギリギリ道を避けて立っていた。よく見るとおじいさんの頭部から血が出ている。滑落したのか!

 緊張しながら接近すると、上から大量に人が降りてくる。先陣を切るお兄さんが一言「兄さん、そこで待てるか??」

 どうやら私は待機するしかないらしい。岩の間にすっぽり収まり、団体さんが通り過ぎるのをひたすら待つ。

 一行は登山ツアー客で、2人の山岳ガイドが先導していた様だ。

 滑落したおじいさんは意識はしっかりしているものの、腕に結構なケガを負っているらしい。折れていたかも。時折顔をしかめながら、「何が起こったか分からない」みたいにボケっとしている、様に見えた。

 ツアー客はおじいさんおばあさんの大所帯だった。今日どうしても移動しなければならなかったのだろう。雨の滑りやすいザイデングラートで、よくもまあやるもんだと呆れを通り越して応援する気持ちさえ芽生えてきた。

 最後の登山者を見送り、ケガをしたおじいさんの無事を願いながら岩をよじ登った。

 一体俺は何をやってるんだろう、何故こんなところに来ちゃったのだろう、今年も穂高はあかんのか…と暗澹とした気持ちも連れて。

 この滑落、明日は我が身だと身に染みた。と思っていたが、この後私自身結構ひどい目に(自分のせいで)遭ったので、全然身に染みてなかったと反省している。

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 10時過ぎ、ようやく穂高岳山荘へ到着。

 着くころには全身びしょびしょ。ズボンもじんわり湿り、パンツまで濡れていた。(前傾するとズボンの隙間に雨水が流れてくるからだと気づいたのは後のこと。)

 雨具、結局信用ならないのでは?と思うがたまにしか使わないので判断が難しい。まずは脱げるところまで脱いでチェックイン手続きを行う。

 今日の部屋は「浅間山」。この部屋も隣と間仕切りがある空間。北アルプスの山小屋はクオリティが高い。

 晴れたら眼前の奥穂高岳へ突撃しようと思っていたが、天気は中々晴れない。

 部屋着に半ズボンしか持ってこなかった事を後悔しながら、ラウンジのストーブで暖を取る。

 横に座っていたおじさん、よく見ると大阪のバスターミナルでちょっと話した人だった!びっくり。

 涸沢にテント張って今日は穂高岳山荘に泊まり、明日帰るとの事だった。もう奥穂高岳にも登ってきたとの事。やるなあ。山の楽しみ方も色々だなと思いながら、乾燥室の服の様子を伺いながらキンドルワールドトリガーを読みふける。山小屋で読むと面白い漫画、私はワールドトリガーメイドインアビスゆるキャン△をおススメする。

 

 14時半くらいだろうか。なんと雲が切れてきた。体力も有り余り晩御飯まで結構余裕がある。そこそこ乾いた上着とズボンを急いで着て、急ぎ山頂へ向かう。

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 コースタイム50分だったが、空身のお陰か30分で登頂。奥穂高岳、日本で3番目に高い場所に立てた事に感動。

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 既に数名いた学生と、爆風の中雲が切れるのを待つ。

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 雲が切れた!そこには急峻な岩の山々が鎮座していた。景色に思わず声が漏れた。学生と謎の一体感が生まれる。

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 他方目をやると、巨大な怪獣の背びれがぬっと姿を現した。これがジャンダルム。よく見ると標識が立っている。これを乗り越える人が居るんだな…と驚嘆。

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 しばらく景色を眺め、再度雲に覆われたため山荘へ戻る。はるか眼下には涸沢のテント場が見える。下から見上げていた、岩と岩の間に自分がいる事を実感した。

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 戻ってくると、嘘のように雲が取れた。向かいの大天井岳方面がよーーく見える。岩に覆われた穂高側と違い、緑と土に覆われたなだらかな稜線が非常に楽しそう。

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 そこからは、もくもく成長する入道雲を眺めながら夕食を待つ。

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 18時半、日が沈む。午前中が嘘の様な幻想的な光景に、本当に来て良かったとジーンときた。

 夕食の時、前に居たおじさんと話して奥穂→前穂→重太郎新道→上高地ルートで帰る事を決めた。

 「涸沢岳通って北穂高行くのどうですかね~」と言ったら「あんまり下手なことは言えないけど、前穂の吊り尾根の方がまだ怖くないかなあ」と言われ、改めてコースを検討。

 実際涸沢岳から北穂高へ向かう道は危険箇所の連続で、コースタイム的にも焦ってようやく15:40のバスに間に合う感じだったので、比較的危険マークが少なくコースタイム通りいけば帰りに間に合う前穂に行く事にしたのだった。

 19時位、就寝。23時位に目が覚め外に出ると、天の川の様なベールと一面びっしりの星空が出迎えてくれた。

 自分の目に見えるものなんて、世界のほんの一部でしかない事を実感した。

 

4.8/14 奥穂→前穂→重太郎新道→上高地→大阪

 4時、日の出前に起き出し涸沢岳へ向かう。ライトを頼りに、青い世界を一人歩く。

 30分程度かかり、涸沢岳山頂に到着。日の出を待つ。f:id:alpharalpha:20200818073000j:plain

 4:45位、空が赤く染まり始める。

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 槍ヶ岳がはっきりと見える。上高地に来て、ようやく拝むことが出来た。屹立する槍の穂先は、どんな山から見てもそれとわかる憧れの象徴だった。

 本当に北アルプスに来たんだなと、ようやく実感できた。近づいて一層威厳を増す槍ヶ岳、次は是非登りたい。また新しい目標が出来た事を嬉しく思う。

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 奥穂高岳も赤に染まる。涸沢は、さぞ美しいモルゲンロートだったことだろう。ちょっと悔しい。今度は涸沢テント泊したいね。

 5時過ぎに美味しい朝食をたっぷり食べ、6時に小屋を出発、まずは奥穂高岳へ向かう。

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 奥穂高岳。驚きの晴れ。みんな小屋とのピストンだろうか。山頂では写真待ちの列ができる盛況ぶり。

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 空と地表の間にそびえる槍。圧倒的存在感に感激。

同時に、涸沢岳から北穂の道やべーと再認識。行かなくてよかった。

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 気を引き締め、吊り尾根そして前穂高岳へ向かう。

 見えている尾根を歩いていく。中々怖い道だった。思い返すと、最初の鎖が一番怖かったな。足がつけるか分からない恐怖は武尊山以来だ。

 絶対生きてワールドトリガーの続き(21巻位)を読むんだ、と思いながら尾根を歩いた。

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 小屋を出て2時間、紀美子平へ到着。荷物をデポして前穂高岳へ登る。この道も中々危なかったな。岩稜の経験値不足を実感。

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 山頂に着いた。北アルプスの山々を見晴らせる素晴らしい光景。パノラマ写真を取ったが本当に圧巻。こんなに晴れるとは思っていなかった。憧れた山に自分が居られるのは本当に嬉しいのだ。

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 来た道(奥穂高岳)を見返す。ここに道がある事が驚きだ。

 一休みした後、9:00紀美子平を出発。北アルプス屈指の急登という重太郎新道を下る。

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 これが下ったルート。お分かりいただけるだろうか。なんと重太郎新道に入って早々、コースを間違えてしまった。

 最初の鎖を下り終えた直後、矢印に従って順路に入った、つもりだった。

 やや踏み跡のある、ガレガレの谷筋だなあと思いながら下っていた。

 人もいないし、目印もないし、本当にこれ歩かせるのか??でも重太郎新道は激坂というから、こういうものなのか…しばらく葛藤しながら、いよいよこの道はヤバいぞ、と思ってスマホを見ると上記の状態。コースを外れている!

 分かった瞬間の焦りは今でも思い出せる。落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせ、来た道を慎重に登り返す。

 登り返すのもヒヤヒヤだ。登山道でないという事は、いつ崩れてもおかしくない。

 自分が落ちないよう、岩も崩さないよう、慎重に来たルートを登り返した。

 絶対生きてワートリの続きを読む。この山行はワートリに命を救われた。

 

 格闘した時間はトータル20分程度だったと思う。ようやく〇印のある鎖の直下に戻ってきた。思い返すと20分だが、この山行で最も長い時間に感じられた。

 

 その後おろおろと正しい道を探すが何故か見当たらない。後続の人が来ているから、一緒に道探して下ろうか…等思っていたら、急に下に行く道を発見した。

 見つけてからだと、非常に分かりやすい鎖の下りだった。何故これで間違えてしまったのだろう。ショックを受けながらも下っていく。

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 正しい道に入ってからも重太郎新道は危険だった。鎖がある方が安全で、何もない所の方が危ない。ガレてるし砂っぽいしで滑りそうになるが、滑ったら結構洒落にならない落ち方をするだろうという道。鹿が通れるから人も通れるだろうと道を開いた重太郎にアホかと悪態をつきながら下っていく。

 途中の景色はゴールの上高地から乗鞍岳まで見通せるグッドビューだったが、同時に先行きの長さを感じてまたげんなり。

 それでも結構すれ違う人が居たから驚きだ。頑張りましょうと声掛けながら下っていく。

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 二時間後、岳沢山荘に到着。結果的にコースタイム通り下ってこれたのかと胸をなでおろす。

 下り降りてきた道を振り返りながら、無傷でここまでこれた事に感謝して休憩。

 この世の全てに感謝していた結果、足を挫いたという大学生にテーピングテープを全部あげちゃう位には気が大きくなっていた。その結果めっちゃ元気になった彼に颯爽と置いて行かれたのも面白かった。

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 岳沢を11:30位に出発。最後はいつもの登山道という感じ。無心で下っていく。

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 13時前位、岳沢湿原到着。ここまでくると最早登山客はいなくなり、観光客ばかりとなる。

 後は平坦な道を歩いて河童橋に到着。山行は無事終了した。

 上高地には観光客がたくさんおり、なんだか違う世界に来てしまったなと若干悲しくなった。

 昼飯を食べようと思ったが、ぼったくり価格の定食にげんなりして結局ビールと行動食のナッツで空腹をやり過ごした。

 

 15:40までアイスを食べたりワートリ読んだりしながら時間をつぶし、バスで大阪まで帰る。これにて3日間の登山は終了。無事自宅に到着した。

 

5.振り返り:山とケガと道迷い

 今回の山行で、ケガをしている人を3人位は見た。

 ①ザイデングラート滑落おじいさん

 ②穂高岳山荘で足を治療されていた人(後ろ姿のみ、詳細不明)

 ③足挫き大学生

 歩いてみて、北アルプスは難しい山だと実感した。細い道、岩登り、荷物は必然的に多くなる…等踏まえると、通常以上にリスクが大きい事は明らかだ。

 ケガをしないために、余裕を持つ、天気をよく見る、道をしっかり把握する、水食事を十分摂る、何より慎重に!といった基本姿勢を一層守らねばならない。

 道迷いについて、岩稜でのコースファインディングに自分が不慣れな事を痛感した。

 そもそも、奥穂高岳に行く途中でも若干道を間違えた。目印がなくても、人の入った雰囲気を感じて進んだ結果だった。フラグは立っていたのだ。

 間違うべくして間違った今回の山行。以下の点を肝に銘じ、山を歩こうと考えた。

 ①目印確認を怠らない。

  岩稜ではほぼ必ず目印がある。律儀に探す。

 ②地図や事前リサーチから正しい道を判断していく。

 ③私が危険と思う道は多分登山道ではない。

  ガレていて岩がボロボロ落ちる→人が通っていない。

  アクロバティック、再現性のない登り下りを要求される→登山道として不適切

 ④地図をよく見る。GPSが生きている状態キープがベスト。

 ⑤間違ったときこそ落ち着く。できる事を一個ずつやる。ゆっくりでいいから、失敗しない。

 

6.振り返り:北アルプス

 色々と反省が多い山行だったが、この晴れ渡った北アルプスを歩けたことは素晴らしかった。雨の中頑張った甲斐があった。一見無謀なことにも飛び込んでいく方が、得られるものがあると実感。

 これを糧に、引き続き北アルプス探訪を進めたい。次はテントで。

 

以上

2019-07-06~07 岩手山

ゴールデンウイークが明けてから、日本中天気が悪い。

この間平標山~仙ノ倉岳や、六甲山(なんと仕事で)、尾瀬へ行った。尾瀬は雨。6月は山自体1回しか行けなかったな…。

そんな中で7月、晴れている山を求めて岩手山へ行ったので以下記録する。

最初に総括すると、場所毎に特徴立っていてRPG気分を味わえる良い山だった。

 

1.行くまで

八戸出張の際、盛岡駅を越えた直後に現れる岩手山。キレイな三角でいい山だなと思っていた。

6月の山行不足が明らかにストレスになりつつあったため、意地でも山に行こうと晴れてる山を探す中で、見つかったのが岩手山秋田駒ケ岳だった。

また山行の直前に、念願のテン泊対応リュックが届いた。

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NORTH FACEのTERRA65 店舗で見かけて腰背中のフレーム、分厚さとガバッと開けるチャック、そして何よりカラーリング(背面の赤!)に魅かれた。

店舗で2万円後半だったが、ネットで調べるとなんと1万6千円。価格もバッチリだったため購入したのだった。

しかし購入先が海外サイト(スペイン)。届くまで約半月かかり、届いた時は箱がボロボロ。中身に影響なくて安心したが、二回目使うのは勇気がいるなあ。

今回はリュックの性能テストも兼ねて、テント泊セットを詰め込み岩手山一泊二日山行を行うことに決定。(避難小屋泊のため、テントは不要だったが…)

金曜深夜に出発し、5時間運転して岩手山へ向かったのだった。

 

2.7月6日往路 七滝口~お花畑~八合目避難小屋到着まで

5時間運転は、しんどい。鳥海山以来の深夜長距離運転だ。

途中のSAで仮眠のつもりが3時間寝ていて割と焦る。白む空に向かって車を飛ばす。

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眼前に突如現れた岩手山。異形の山だ。南部片富士と呼ばれるとの事だが納得。富士山にゴジラの背びれが生えている様だ。

今回は数あるルートの中で「七滝ルート」を選択。理由は、最悪ガスってても「滝が見られる/沼が見られる」事を期待してだ。この時はまだ、ウキウキハイクの気持ちで居られたのだが・・・・・・

6時位に準備完了、出発した。

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野鳥観測所なる建物。自由に使えるようだ。

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スタートから2キロ地点にある七滝。中々の高さと水量に胸が躍る。

この時トレランの集団に鉢会い、颯爽と追い抜かれる。この時は道幅も広く起伏もそこそこだったので、楽しいんだろうな~と思っていたが、後の道のりを考えるとようやるわという気分になる。

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曇りの中を歩く。この沢の辺りから道がぬかるみ始める。

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最悪ポイント「湯華採取場」。この白いのが湯華。おそらく温泉成分が流れ出し表出するポイントなのだろう。

こいつが曲者。踏むと乳白色の液を噴き出すスポンジの様なもの。

足の踏み場も少ないため、誤って踏み込んで靴が真っ白になってしまった。

その後もドロドロの中を歩く。

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流れの横を歩く。この水も温泉(火山?)成分たっぷりで濁っていた。

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花が綺麗。道中沢山の花が咲いており、夏山に来たんだなと思い直す。

そして踏み込む、大地獄谷。f:id:alpharalpha:20190714005915j:plain

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緑の道が一転して、荒涼とした岩と硫黄の世界に変わる。これは地獄。

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傾斜も道幅も狭く危険っぽい箇所結構あった。おまけにガス。冬だったらナイフリッジになるだろうなという道もそこそこありビビる。

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ようやく地獄を越えると、「お花畑コース」と「鬼ヶ城コース」の分岐に着く。これ以上はしんどいと予想し、お花畑コースを進むことにする。トレランの人たち、よくこんなとこ通ったなあ。

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道すがら花をめでる。

f:id:alpharalpha:20190714010418j:plain誰が書いたかユルい看板。

お花畑コース、とは名ばかりで道は結構キツイ。狭いし草木が道を塞ぐしで歩きにくかった。

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シラネアオイがまばらに咲く。ああ夏だなあ。

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突然視界が開けた。お花畑だ!

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 ワタスゲがびしょびしょ

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黄色と紫と白が点在する景色

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我々がニセモノと呼ぶもの。尾瀬ではミズバショウと見紛うばかりに幅を利かせていた。こんなところまで浸食していたとは…一体こいつは何なんだ?

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御釜湖そして猪苗代湖。鳥の鳴き声と自分だけがそこにある。

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岸辺に泡。たぶんシュレーゲルアオガエルの卵。

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見上げると岩手山。ガスガスやな。

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鬼が城ルート。急峻そうな稜線だ。行かなくて良かったと、この時は胸をなでおろしていた、が…。

お花畑での小休止を終えて山頂を目指す。ここからがハチャメチャにしんどかった。コースタイム1時間程度とあったが、道は狭く、草木に阻まれ、足場もよくない。2時間くらいかかったのではなかろうか。息も絶え絶えになりながら隘路を行く。

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景色が開ける。鬼の頭!これが鬼が城と呼ばれる所以か。

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しっかり石垣もある。これが自然の造形物とは!

登り始めて5時間弱、ようやく不動平避難小屋へ到着。

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これが岩手山頂なり 11時以降ガスる様だったので、避難小屋

に荷物を置いてとりあえず登る。

山頂の風景は浅間山を想像してもらえればと思う。噴火口の真ん中には妙高山。最高点は外輪にあるためお鉢を回る。

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真ん中にある妙高山。まるでバベルの塔だ。噴火とともに神の怒りも落ちた事だろう。

 

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お鉢を囲むように仏のレリーフが置かれていた。岩手山、勝手に穏やかな山かと思っていたが、火山のパワーで形作られた荒々しい山だった。

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登ってきた道を眺める。お花畑と湖が良く見える。

ここにきて、岩手山の西が火山であり、鬼が城が火口の淵、湖がカルデラ湖(のようなもの)だったと分かる。目線を変えて初めて見える世界があった。感動。

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山頂(ほぼ通過したのみ)

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今日は雲海。雲の上を歩く。

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ここは岩手山神社でもある。戦国無双で見たような刀剣が良い。山に刀だけあるのは男体山以来だな。

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本日の宿たる八合目避難小屋。避難小屋だが1,700円。でもキレイ。なにより水が使い放題。これめちゃくちゃ有難い。無限に無駄づかいできる…。

 

3.八合目避難小屋宿泊~鬼が城コース下山

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夕方、なんと晴れてきた。遠くに早池峰山が見える(右)。

見晴らしながらアルファ米とお湯で戻すカレー等食べる。アルファ米全然いけるわ。最高。

他にもパウチのイワシ等試したが良い感じ。∞水だからこそ沸かしたり出来た感はある。

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丁度届いたアル中のやつ(スキットル)を初使用 ウィスキー大好きー

振り返ると登山口が500mで最高点2,000m。ログを見ると累計高度1,900m強。今までの山行で一番高低差あったな。バッチバチに疲れた。泊りにしといて良かった。

途中から偏頭痛始まって避難小屋で死んでた。薬は必須やな。

7時就寝。途中起き出して星空を見る。天の川とはいかなかったが、溢れんばかりの星空だった。

 

朝4時起床。

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マジックアワー。クッソ寒かったので避難小屋で朝飯。小屋の中でバーナー付けていいのめちゃ有難い。

ゆったりして6時に出発。帰りは鬼が城コースを行く。

もうお花畑コースはこりごりだったのと、山頂から見下ろした時しっかりした道が見えたため。

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避難小屋があんなに遠くに。雄大なカールのような景色。やはり雲の上を歩く。

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真正面に岩手山。見上げるよりも全然良いな。

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左側は晴れ。秋田駒ケ岳かな?

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右手は帰り道。雲がじわじわと稜線を侵略していくのは延々見ていられる。帰りがガスなのは仕方ない…。

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花、花、花、青い空、緑の大地。

鬼が城ルート、険しいことには違いなかったが景色は良くアスレチック的な箇所もあり気分が良かった。途中や切通し等は若干傾斜あったが、それでもお花畑コースよりはよっぽどマシ。見かけ以上に良いコースだった。

聞くと最近まで火山ガスの影響で入ることが出来ず、イマイチ整っていなかったとの事。

帰りはまた大地獄谷を抜ける。下りの方が怖かった。五里霧中だった。

帰りは4時間弱。下りも1,500m、七滝コースは日帰りで行くもんじゃない。

 

4.総括

二つの火山が織りなす表情豊かな自然の造形に目を奪われてばかりの登山だった。

七滝、大地獄谷、お花畑、二つの湖、鬼が城、そして何より岩手山お鉢周りと、各地名に入る毎にステージが変わるような気分。

景色も文句なくそれなりに泊る事も出来る、非常に楽しい山登りだった。疲れたけども。

リュックもまあまあいけそうだったので、次は絶対テント泊山行やっていきたい。

また、山と食欲と私を全部読んだおかげで山飯ブームが自分の中で来ているので、これからもやっていきたい。

 

以上

2019-04-28~29 唐松岳

前回の更新から随分日が経ってしまったが、山に登り続けている。(主にfacebookに記録中)

八甲田山雪中行軍を皮切りに、雪山にも登り始めた。そしてこのゴールデンウイーク、平成最後の登山として念願の唐松岳に登頂することが出来た。

 

1.GWに入るまで

今年のGWはそもそも「屋久島」に行こうと画策していた。しかし航空券があまりに高額で断念。行先に迷ったところで大学時代の友人より福井富山裏日本探検旅行に誘われたため、今年の連休は日本海で過ごすこととした。

集合は4/30の午後、福井駅

 

この日までどう過ごそうか…その時、棚に挟まっていた「五竜岳唐松岳鹿島槍ヶ岳」の地図が目に留まった。

昨年秋に行こうとしたが叶わなかった北アルプス。思い立って調べると、なんと唐松岳頂上山荘が営業開始している。予約は不要、コースも”比較的”容易、何より4/28は連休前半唯一の晴れ。

昨年の雪辱を晴らすべく、GW初日に12本爪アイゼンとピッケルを購入*1。山道具とキャンプ道具、5/3までの旅行道具を車に詰め込み、4/28の朝3時、私は白馬村へ向けて出発した。

 

2.4/28山頂小屋到着まで

運転する事3時間半。朝6時半、白馬の八方尾根ロープウェイ麓に到着。駐車場(2日で1,200円)に車を停め、ロープウェイ購入列に並ぶ。駐車場は既に満車も多く、スキー板を持った人があちこち歩いている。

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 ロープウェイチケット売り場。7時からの販売開始まで並ぶ。この後も続々と人が来て大賑わい。

 

無事ロープウェイ・リフト往復券を購入、7時半より一路「八方尾根」へ向かう。

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スキー等しないため人生初リフト 運搬される荷物の気分

 

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スキーヤー多かった。今シーズン最後のスキーを謳歌していることだろう。

 

ロープウェイ、リフトを3つ乗り継ぎ、八方尾根へ到着。早速アイゼンを装着し、登り始める。

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最初はいきなりガレ場。人はかなり多い。

雪面を登るのは骨の折れる。何よりいきなり暑い。服を脱いで調節しながら登っていく。(結局、冬山衣類の正解が分からないまま終わってしまった。誰かレイヤリング教えてほしい。)

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五竜岳鹿島槍、白馬岳を横目に登っていく。雪と岩の殿堂。まだらの山肌は大迫力。

途中、何か所か急な登りに直面。前の人のトレースを辿り、アイゼンの効きを確かめながら登る。

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見た目よりもきつい。後ろには妙高戸隠連山が並ぶ。前はあの上に居たんだな、としみじみ。

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遠く富士山まで見晴らせる。虹の様なものは太陽アーク。ずっと見えていた。

 

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山頂付近、核心部。

この直前に細い稜線を通った。そこにピッケルを突き刺し、レシーバーで何やら話す人が。山小屋関係の人か?と思って下を見ると、なんとおじさんが横たわっている。滑落したんだ。急に血の気が引く。

岳で見たまんまの様子。口をぽかんと開けて、意識は無さそう。レスキューの人が上に跨りレシーバーでテキパキ指示しているが、反応する様子は無い。

その場を離れ慎重に歩を進める。すると遠くからゴゴゴゴ…と音が響いた。立ちすくむ。雪崩だ。目の前にいたお兄さんと目が合った。「怖いの2連発でしたね」笑うしかない。

先達の歩みを頼りに、細い足場を渡っていく。

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最後のトラバースを抜けると、開けた場所に着いた。眼下に小屋が見える。ついた。胸をなでおろした。

開けた場所にもレスキューの方がおり、連絡している。この開けた場所はヘリポートになるらしい。速やかに退去するようアナウンスあり、小屋に移動した。

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小屋を見下ろす。剣岳を始めとする立山連峰がお出迎え。ここまで来た実感が湧いてきた。

 

3.4/28山小屋到着後~就寝まで

到着は11時過ぎだった気がする。

小屋の予約を試みるが、受付13時からだったため、引き続き山頂へ向かう。

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唐松岳全景。非常にかっこいい。この稜線を歩く。
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登っているとヘリコプターが飛来。先ほどのおじさんを救助するため、何度もアプローチしていた。

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登頂。北アルプス雄大さを一身に感じることのできるベストロケーション。

行動食を食べながらしばらくぼーっとして、小屋へと戻る。

小屋の前でカレーチーズヌードルを食べて1時受付開始を待つ。山で食べるカップヌードルカレー味はスペシャルに美味しい。

 

1時受付。無事寝床を確保。随分悩んだが2,200円追加して晩飯も食べることとした。しばらくは昼寝したりkindleメイドインアビス武田綾乃「朱音は空を飛んだ」を読んで過ごす。

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我慢できずアサヒスーパードライ(600円)を山の上で飲んだ。こんなにうまいビールはない。

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17時より晩御飯。カレー(食べ放題!)とお惣菜、コーンスープに暖かいお茶。

どれも大変美味しく、課金した甲斐があった。山の上でこんな贅沢ができるのは幸せである。

横の人たちと話しながら夕食の時間を終える。

 

戻ってスマホをいじっていると、「北アルプスで4人死亡」のニュースを見た。

4人目として、唐松岳で発見された57歳公務員の方の情報が載っていた。4/27には滑落しており、発見されたときには既に事切れていたそうだ。

 

前日は全国的に天気が悪く、ここ唐松岳も同様。細い稜線を歩き、暴風そして視界も狭い中で滑落。ヘルメットもしており装備は平均以上のものを備えていたと見受けられる。しかし助けを呼ぶ事も出来ず、あの崖で命を落としてしまった、のだろう。

 

唐松岳は、雪山シーズンでもロープウェイがあり比較的容易に登ることのできる山という認識だった。そんな山でも、悪い要素が重なれば一瞬で命を落とす。

このおじさんも、天候を見て撤退すべきだったのだ。山頂が近いから、無理をしたのかもしれない。しかし道中で山頂直前が最も危険だった。焦り、油断、色んな感情があったのだろう。最期に何を思ったのか。推し量ることはできない。

 

この日目にした「死」の近さに心底ビビっていた。

 常にリスクがあることを念頭に、それを踏み抜かないために自分に出来る事を考え、行動しなければならない。

こと雪山はまだ4回目。まともな講習を受けていない中、ここまで来てしまった。無事に帰ってこれて良かった、では済まない。まだまだ甘かった。(八甲田山那須岳安達太良山と楽しい雪山山行をやってきたが、これだけで安全に繋がる訳ではない)*2

また、ケガに対しても同じレベル感で臨む必要がある。昨年谷川岳で足を思い切り挫いたり、しばらく治らなかった膝の痛み、アイゼン付けたての頃は左太もも付け根の痛みに襲われたりと、常にケガと隣り合わせの状況でここまで来ている。*3

金で解決できるものは解決する、足りない部分はフィジカルと正しい行動でリスクを低減する。これからも登山を続けるためにも、課題は山積みだ。

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日が沈んできた。唐松岳と交差する。

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一瞬で夕焼けになる。

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赤らむ五竜岳

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夕日を背にする剣岳立山連峰

今日が終わる。生きていて良かった、心底思った。

 

寝床は6人川の字、ウナギの寝床。途切れ途切れだが一応寝ることが出来た。

 

4.4/29下山

朝4時、周りがごそごそし始めたので一緒に起床。ヘリポートとなった高台にて日の出を待つ。

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日の出直前の時間が一番好きだ。

筑波山の夜明け前も良かったので共有しておく。 

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おはよう白馬

くそ寒い中おしるこ作って待っていると、続々と人が上がってきた。

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そして日の出。おはよう日本

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朝日に照らされる白馬連峰全景。左から唐松岳→不帰ノ嶮→天狗の頭→白馬鑓→白馬岳 ひたすら美しい光景。

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剣岳の方も朝焼けていた。

日の出を楽しんだ後、部屋に戻って行動食をむさぼり、6時位に山小屋出発。八方尾根を下りリフト乗り場を目指す。

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夜明け前から「グエエグエエ」と鳴き声が聞こえており、こんな冬の山頂にヒキガエルでもいるのか?と思っていたら、なんとライチョウの鳴き声だった。

 

早朝のヘリポート付近で遭遇。本当に会うことが出来ると思っていなかったので、非常にうれしかった。

白馬岳を背に立つライチョウ。冬毛は確かに雪と岩の山肌に紛れる。

人が近づいても悠々と歩いており、逃げる気配はない。人の近くはむしろ安全だと知っている様だ。

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写真に撮られなれているイケメン。飛び立つまで見届けて下山開始。

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テラテラと光る雪山を、太陽に向かって歩く。

昨日よりトレースが激増しており、往く人の多さを実感。昨日人が死んだ山とは思えないのどかな世界。

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道中の違法テント。寒くないんかね。

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帰りの方がカッコ良い白馬岳方面。

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妙高の方に向けて歩く。空中を歩いている様。

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手前が五竜岳、奥が鹿島槍ヶ岳。さようなら北アルプス

 

8時頃、リフト乗り場に到着。30分待機した後、運行開始とともに下山する。

 

この日もたくさんのスキー客で賑わっていた。また、すれ違うリフトに大勢の登山客を見つけた。

 

この日の午後は、天気は下り坂で再び危険な状況になるとのことだった。すれ違う人々が、来た時のまま帰る事が出来るよう精一杯願いながら、帰り路についた。

 

5.総括

平成最後の登山となった唐松岳、登山の楽しさと怖さを最大限に感じる山だった。

今シーズン雪山は最後になるが、来シーズンも登り続けるために更にレベルアップしていたい。切にそう思う。令和も頑張っていきます。

*1:これまでの雪山登山は、わかんや後輩から借りたアイゼン等で対応していたが、今回ばかりは購入することとした

*2:今年の冬~来年は雪山講習に行こう。今年も行こうとしたのだが、安価なものは予約が取れず諦めてしまった。

*3:膝は下りの歩き方を意識し直した事で最近マシになったが、太ももの痛みは初めて。ヘルプミー

2018-09-23 火打山

9月はことごとく天気が悪かった。行きたい山には行けず、購入していたテントも日の目を見る事は無かった。

やむを得ず晴れている山を探して登る事を続けていた。お陰で9月は猫魔ヶ岳、鳥海山、(羽黒山)、月山、八甲田山と色々登る事が出来た。

そして最後の晴れ間の9月23日、私は火打山に登る事にした。

 

1.経緯

 火打山は、私が山登りに行きたいと思うきっかけになった山だ。

 2017年の春くらい、ぼけーっとテレビを見ていたら、外国人のおじさんがみずみずしい緑の中を歩いている映像を見た。*1

 ファンタジーの様な風景に目を奪われた。調べると、ここは「火打山」という所らしい。

 後日、山岳部出身という会社の後輩に話をしてみた。何回か行きたい行きたい言ってると連れて行ってくれることになり、2017年6月、初めて登山に行く事になったのだ。

 ただ、その時行ったのは「燧ケ岳」のある「尾瀬」。会話の中で「ひうち」と言っていたのは燧ケ岳の事だった様だ。(はじめての尾瀬。ひどい雨だった。)

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 しかし高層湿原というのは共通しており、行った私はそれなりに満足していた。

 これが「ひうち違い」と判明したのはもうちょっと私が山に詳しくなってから。

 それ以来、「火打山」は私の中で「約束の山」になった。*2

 

2.09-22 出発

 本当は9/21~23で前回見送った五竜岳唐松岳縦走をやろうとしていたが、どう見ても天気が悪いので、諦めて(出張にくっつけて)9/21八甲田山へ登った。

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(良いところだった) 

 そして帰ってきた9/22、予報を見ていると明日は「晴れる」と出ているではないか。

 日帰りでも構わんからどこか行こうと考える中で、目当ては高層湿原の草紅葉に絞られていった。

 そこで思い出したのが、火打山。天狗の庭を調べると、見事に紅葉した画像が出ている。

 ずっと思い描いていたのは「新緑の天狗の庭でテント泊」だったが、それで行かないのは後悔しそう。

 何より谷川岳に登って約束が成就した後も、あおいは山に登っているではないか。

 八甲田山の荷物もそこそこに、荷造りして9/22の夜出発した。

 

3.9/22-23 妙高市

 運転する事4時間、妙高市に到着。

 真っ暗な山道を進むと、不穏な看板と警備員さん。見ると、火打山登山口への道が夜間通行止めとなっていた…。

 登山口での車中泊が不可となってしまったため、諦めて風呂に入り近隣のPAで夜を明かした。

 車中泊も慣れたもので、熟睡といえないまでも眠れたと思う。*3

 5時に閉鎖解除という事で、4時半位に起きだし出発する。

 全く同じ考えの車が大挙して押し寄せており、道は朝5時とは思えぬ混み様。

 駐車場はすんなり停められ不都合は無かったが、山登る人はやべえなと感じる。

 

4.9/23 火打山登山

 準備を行い5時半位に出発。今回のコースは以下の通り。

 5:30 火打山登山口(笹ヶ峰)→分岐→8:05 高谷池ヒュッテ発→9:10位 火打山山頂

 →10:00 火打山発 →12:00位 黒沢池ヒュッテ →14:10位 火打山登山口

 総行動時間8時間半。景観素晴らしく楽しかった。妙高山も含め日帰りする人はすごいなあと素直に感じる。

 (1)分岐まで

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  最初は緩やかな木道を歩く。時折現れる地面は、前日の雨のせいかひどくぬかるんでいた。悪い予感がする。

  その内「十二曲がり」に到達する。険しい道だと聞いていたが10分程度で終わった。しかしそこからの道が中々険しい。岩と木の根に阻まれる高い段差。よじ登る場面もあり。

  なーにが十二曲がりだと悪態つきながら登る。因みにここまでの道中ぬかるみが酷い酷い。燧ヶ岳も酷いぬかるみだったなと思いながら進む。

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  そうこうする内、高谷池と黒沼池の分岐に着く。今回は高谷池→火打山がメインのため、左へ行く事とする。右へ行く人も多く、ここから人もまばらになった印象。

 (2)分岐→高谷池ヒュッテ→火打山→黒沼池ヒュッテ→下山

  分岐からの道、いやそれ以前から、でかいカメラを持ったおじさんが猛然と着いてくるのを感じていた。

  分岐ら辺で見当たらなくなったが、その後見えてからは付かず離れずの距離で着いてくる。

  そうこうしてる内に前回休憩から1時間が経ったので、足を止める。

  「いや若い人は〜〜」

  !?話しかけられた。驚く。しかも一緒に休憩してる。道行く人と言葉を交わすことはあれど、これは初めて。

  その後この齢60のおじさんと、一緒に行動する事となった。こんな事もあるもんだ。ペースもおおよそ同じくらい。8割くらい聞き手に回りながら歩いていく。

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  横には明らかに異質なオーラを放つ北アルプス、白馬岳。非常に美しい。

  道中の紅葉そして火打山。立派な姿に二人で足を止め写真を撮る。

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  8:00位、とんがり屋根の建物が現れる。高谷池ヒュッテ到着だ。行動食を食べながらおじさんと作戦会議をする。

  話を聞くと、福井から来た方だそうだ。登山は50歳位から始めており、主に北アルプスや石川の白山等の百名山を中心に登っているとの事。槍ヶ岳日帰りなんかは半端ないなあと思った。北アルプスへ行きたい欲が深まる。距離近いのはええなあ。

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  高谷池ヒュッテの周りは異国感さえ感じる風景。目を奪われる。

  8:10位、ヒュッテを発ち火打山山頂へ向かう。道中は泥、隘路、時折急坂。だがまあこんなもんだろうという道。道中も北アルプスを横目に登れるのが楽しい。

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  ここが天狗の庭!目標の8割は達成された。ここが約束の山。

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  見事な逆さ火打。金色の地にドンと構える火打山雄大さに気分が上がる。秋に訪れたのは正解だった。一方で思ったより湿原に入れない。ここで尾瀬が特別だったことを理解する。湿原は人が踏み荒らせば不毛の地となる。それを守るための当然の采配だ。また尾瀬に行って飽きるほど湿原を歩こうと思う。

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  9:10位、山頂着。素晴らしい絶景。青空と雲の間に我々が居る。見える山は格好良い。妙高は意外とゴツゴツしてるんだなぁと感じる。

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  奥の方が妙高。さっきまで居た高谷池もあんなに小さく...。湿原は上から見ても美しい。また、海の方も見渡せて気分が良い。

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  北アルプスの絶景。左の端には槍ヶ岳も見える。この景色をおかずにいつまでも過ごしたいと感じた結果1時間弱居座ることになった。

  記念撮影しつつ棒ラーメンを食べて景色を眺める。この為に山登ってるよなと実感する時間だった。

  10:00位、名残惜しいが出発。目指すは黒沼池ヒュッテ。一緒に行動したおじさんは妙高まで行けたら行くというスタンスだったので、ともかくついていくことにした。黒沼池までの道は泥濘、坂多くちょいしんどい。

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  なんやこいつ

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  12:00位、黒沼池ヒュッテ着。プラネタリウムの様な形のヒュッテ。草のとこにはデポされたザックがたくさん。不用心だな。

  ここから妙高往復するだけで16時になるだろう、という話を小屋の管理人から言われたのと、体力、行動時間を勘案し流石に妙高無理と判断。休憩の後帰り路を歩く。

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  道中、黒沼池横を歩く木道は大変気分が良い。

  そこを越えるとまた登山道に戻る。後はきた道を戻るのみ。最後の木道からがまた長い。これも燧ヶ岳みたいだ。

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  きのこ

  14:10位、下山。しばらくおじさんを待って合流。

  戻ってみると車も隣に停めていた事が分かった。何なら喋ってたし...偶然ってあるもんだな。

  CCレモンを一本頂いた。感謝感激。その場でFacebookも交換する。またご一緒できたら良いな。

  下山後、最寄りの市民温泉で風呂に入り、黒姫文学館に寄る。良いところだった。黒姫山伝説を聞いてから眼前の黒姫山を見る、というのが良すぎ。

  上橋菜穂子展は作品の作り込みに驚く。残念ながら一個も読んでないんだよな。なんか読もう。

  道の駅ではヨーグルト×日本酒の酒を買った。ちょっとくどい飲むヨーグルトって感じだったな。美味しかった。

 

5.おわりに

 車中泊が可能となったお陰でかなり行動範囲が広がった。今回はその集大成だったと感じている。

 約束の山だった火打山。天狗の庭と北アルプスの見晴らしは感無量だった。

 一方で、湿原としては尾瀬の方が広くて歩けるし良いなと正直感じた。

 行ってみて初めて分かる事ばかり。火打山一つとっても、新緑と妙高に行くというとこまで出来てないし、まだまだ楽しみ甲斐があると分かった。今後も躊躇せず登っていきたい。

 

以上

 

*1:調べたらにっぽん百名山の様だ

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*2:雪村あおいと倉上ひなたにとっての谷川岳であり、星宮いちごにとっての神崎美月である。

*3:9月だけで4回って中々な回数